ウイットに富んだ語り口で日本の現状を分析し、文化の本質を鋭く突き、緩やかに日本の未来を描き出す。「優しい心と文化、美しい自然。これこそ日本が世界に誇れる最良の資源である。こんな素晴らしい資源を持つ国はそれほどあるものではない。」「人でも、モノでも、思想でも、メイドインジャパンはスーパーブランドでなくてはならない。」(第5章) 日本人が決して忘れてはならないもの。そして、築くべき未来。それは、間違っても今日の延長線上にある愚かな未来であってはならない、と強く実感するだろう。 私たちが「思い」を共有する時、新しい動きが始まる。私たちは、みんなその力を持っている、という爽やかな勇気を与えてくれる。一日で読み終え、一年じっくり考える本である。
私たち一般人は哲学者でもないし、哲学研究者でもない。そこは専門的な領域なのである、と断定してしまえば、「哲学は、神々が人間に対して贈ったものの中でもっとも大きな贈り物である」というキケロの言葉は嘘になる。しかし、自分自身の経験などからつくり上げた人生観や世界観、あるいは物事に対する基本的な考え、理念なども哲学、フィロソフィーと呼ぶ。俗に「彼には哲学がない」「あの企業にはフィロソフィーがある」などと言われる、あの哲学である。そう、もう一つの哲学である。 快適な人生、凛とした生き方、潔い振る舞い、爽快な日々。それは、自分のための原則を持っているかどうかにかかっている。あなたの人生を「快」にする思想の旅に誘う一冊。
国中に渦巻くさまざまな不安や不満。例えば、国の財政破綻、熾烈な低価格競争、製造業の海外移転、デフレ、さらには人口減少、経済の縮小・・・ 「経済・産業中心主義」「量的成長主義」の帰結として経済成長型モデルのデッドエンドを迎え、それに替わる新たな成熟社会型モデルが求められている。本書では、社会・文化的視点から、日本の現状を考察し、それを踏まえた新たな社会モデルの中核として「人間域」×「多層的自立社会」を提唱する。人生設計の可能な国を目指して、日本のシフトすべき方向性をコンセプトレベルで描く、まさに社会人「必読の書」である。